言うまでもなく、本校は私立中学校です。
そのため、生徒は市内全域のみならず市外からも通学しています。
また本校の生徒は、敦賀気比高等学校普通科特進コースに進学して難関大学突破を目指し、県外にその活躍の場を求める生徒が多い学校でもあります。
このような生徒の特徴をふまえて本校では、生徒達に自分の生まれ育ったふるさと敦賀(福井)の良さをよく理解してもらい、将来いかなる場所で活躍するにしても、ふるさと敦賀(福井)を拠り所として自信と誇りを持って行動できる人材を育成したいと考えています。
こうした取り組みの一環として、総合学習「ふるさと敦賀塾」を企画し、地元敦賀の歴史や文化についての学習をすすめてきました。
さらには、敦賀市立博物館の協力を得て、出前講座や特別出張展示会の開催など、様々な取り組みを行ってきました。
以上のような流れの中で平成19年度より、これまでの歴史や文化からの視点ばかりではなく、自然科学(理科)からの視点を加味して、ふるさと敦賀の自然を通して自然に親しみ、自然を愛する心を育む取り組みを実施することにしました。 これが「中池見の自然を楽しもう」という講座です。

総合学習の実習地として選定した場所は、市街地(敦賀駅)の北東に位置し、市街地から見て天筒山の裏側にあり、脇には国道8号線も通る『中池見湿地』です。
この『中池見湿地』を実習地として選定した理由は次の通りです。
第1に豊かな自然が残っていると言うことです。
『中池見湿地』は袋状埋積谷という独特の地形に発達した低層湿原で、生物層が限られていると言われる泥炭湿原でありながら、生物の多様性に富んだ場所です。こうした事実は、オックスフォード大学から出されている地質学に関する教科書に、「特筆すべき世界の三大湿原」の一つとして掲載されているほどです。
第2の理由は、『中池見湿地』全体を市が管理している場所であると言うことです。
本校が建つ沓見地区にも豊かな自然が残されており、実習地として選定しても十分な環境があります。しかし、先にも述べたように本校の生徒が市内外から通学しているため、本校周辺に土地勘のない生徒が多く、野外活動に関して安全の確保が困難であると考えられました。
また、活動場所が民有地(私有地)であることが多く、地権者との協力と理解を一朝一夕に得ることも難しいことも考えられました。
以上のような理由から、敦賀市から都市公園の指定も受けている『中池見湿地』での活動が適当であると考えました。
さらに第3の理由として、『敦賀市・中池見人と自然のふれあいの里』と言う施設があると言うことです。
『敦賀市・中池見人と自然のふれあいの里』は、『中池見湿地』の自然とそこに関わった人々の暮らしの様子などを伝えるためにもうけられた施設であり、『中池見湿地』の地下に眠る泥炭からわかる古代の様子の復元展示や、福井県(日本全国)で希少となっている種(動植物)の保全などを行い、かつて行われていた湿田での農作業体験などもできる自然に関する生涯学習センター的施設です。
また、ここには『中池見湿地』に詳しい学芸員が常駐されているので、十分な観察指導もしていただけます。こうした施設を活用することで、より良い学習活動を行うことが期待できると考えました。

昨今我が国では、青少年をはじめとする国民の「科学技術離れ」「理科離れ」が指摘されています。
この状況に対し文部科学省は、科学好き、理科・数学好きな児童生徒を増やすための施策「科学技術・理科大好きプラン」を平成14年度より開始しました。
この、児童生徒の科学技術、理科・数学に対する関心を高め、学習意欲の向上を図り、創造性、知的好奇心・探求心を育成する総合的・一体的施策の中心にあるのが、サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(略称SPP)です。
SPPは、独立行政法人科学技術振興機構(略称JST)によって運営され、様々な最先端の研究成果や研究施設・実験装置を有する大学、公的研究機関、民間企業、科学系博物館、学会等と、中学校や高等学校等の学校現場との連携により、児童生徒の科学技術、理科・数学に関する興味・関心と知的探求心等を一層高める機会を充実することを目的とした事業で、「招へい講座」「連携講座」「教員研修」などからなっています。
今回、『敦賀市・人と自然のふれあいの里』と連携して行う本校の総合学習について、SPPの意に沿う取り組みであるとの判断をいただき、JSTより平成19年度SPP講座型学習活動として採択していただきました。

なお、サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト関するホームページアドレスは次の通りです。

また、本校の取り組みは「事例紹介」の「実施機関のリンク」に紹介されています。

平成20年度の活動計画は次のようになっています。
  1. 春の観察会:4月19日(土)・・・・・中池見湿地における実習と観察
  2. 夏の観察会:7月26日(土)・・・・・中池見湿地における実習と観察
  3. 中間発表会:9月4日(木)・・・・・前期活動のまとめ(気比校祭)
  4. 秋の観察会:9月20日(土)・・・・・中池見湿地における実習と観察
  5. 冬の観察会:11月15日(土)・・・・・中池見湿地における実習と観察
  6. 学習会:1月17日(土)・・・・・岐阜県立文化アカデミー教授による講演と実習
  7. 発表会:2月21日(日)・・・・・1年間の活動のまとめ(アクアトム)
これらの活動は、事前にお申し込みいただければ、全て公開したいと思います。また、活動の様子は本校ホームページにて、随時報告したいと考えております。
本校のホームページアドレスは次の通りです。
敦賀気比高等学校付属中学校、次いで総合学習のタブをクリックしていただくと見ることができます。
平成19年度の活動も紹介してあります。